おしまコロニーの機関誌「ゆうあい」は隔月で、御家族の方々をはじめ、全国各地の施設・関係機関、団体等に配布されております。多くの方々の寄稿文、実践活動やイベント、エピソードなどを交え、みなさまに近況をお伝えしております。

 

2017年8月号



社会福祉法改正後の評議員会、理事会について


今回の改正社会福祉法では、社会福祉法人制度について経営組織のガバナンス(組織をまとめて治めるための体制や方法)の強化、事業運営の透明性の向上等の改革が進められ、評議員会の役割が重要になりました。社会福祉法の改正により、評議員会を定款変更や役員の選任・解任等、法人の基本的事項等の決定と事後的な監督を行う機関として位置付け、必置の議決機関となり、理事会への牽制機能を持つこととなりました。

評議員は、理事、評議員が含まれない外部委員の機関「評議員選任・解任委員会」において協議され、選任されなければなりません。評議員は、理事等の業務執行を監督する立場にあるため、自らが評議員を務める法人の役員又は職員を兼ねることはできません。

理事会も理事・理事長に対する牽制機能が制度化されていないことや理事、理事長の役割、権限の範囲が明確ではありませんでしたが、理事会を業務執行に関する意思決定機関として位置付け、理事・理事長に対する牽制機能を働かせると共に理事等の義務と責任が法律上規定されました。理事には、「社会福祉事業の経営に関する識見を有する者」「当法人が行う事業の区域における福祉に関する実情に通じている者」「当法人運営施設の管理者」が含まれなければならず、評議員会において選任されます。理事長は、理事会の決定に基づき、法人の内部的・対外的な業務執行権限を有し、法人の代表権を有します。理事は、理事会における議決権の行使等を通じ、法人の業務執行の意思決定に参画するとともに、理事長や他の理事の職務執行を監督する役割を担うことになりました。理事会は、全ての業務執行の決定や理事の職務執行を監督しなければなりません。

福祉ニーズが多様化するなか、社会福祉法人は障がい者等を支援する中核的な担い手として、これまで以上に地域社会に貢献していくことが期待されています。また、公益性を持った組織として、運営の透明性を確保することや組織経営のガバナンスを強化していくことが求められ、評議員会が必置となり、上記のとおり理事会も厳格化されています。



   (法人本部 石戸谷 浩二)



 


コラム「紙ふうせん」



「皆さん、これからも仕事頑張ってください」10年ほど前に退所されたNさんが、送別会でグループホームの利用者の方々へ送った言葉です

Nさんは、入所施設からグループホームへ、施設での作業だけではなく一般企業でも就労してきた経験があり、長年地域生活を送ってこられた方でした。グループホームの居間のソファが特等席で、いつもそこに横になっては他の利用者の方々の話をニコニコとした表情で聞いている様子がとても印象に残っています

同じグループホームで生活している利用者の方からも尊敬ともいうような眼差しを向けられていたNさん。新任当初の頃「もっと知りたい」と思い、ケース記録はもちろんのこと足繁くグループホームに訪問していました。「昔、クリーニング工場で働いていた時、駅の階段がきつくてな。○○がおぶって行ってくれたことがあったんだ。○○には世話になったよ」、「○○はいつも俺の部屋に遊びに来ていてな。何するかと思って黙って見ていたら部屋にあった物を斜めにしていくんだよ。○○って面白いよな」当時を振り返りながら、生活や仕事のこと、良かったことや大変だったこと、時には武勇伝も。その会話の一つ一つから周りに感謝する気持ちや、人としての懐の深さが伝わってきます

そんなNさんが、なぜ最後に皆に向けて仕事について言ったのでしょうか。それはきっと自分が行ってきた仕事に対して、働くということに対して強いプライドを持っていたからではないかと思います。働くことは、収入を得るだけではなく、生活と異なる環境の中でたくさんの人との出会いや人と人との繋がりを生み、そして何よりNさんにとって「社会の一員として暮らしていく」ということそのものだったように感じます

「社会の中で、その一員として暮らしていきたい」その想いと共に歩んで行きたい。Nさんを通じて、地域生活を支援する者として改めてそう思うのです。



   サポートはまなす 宮島 啓太



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