おしまコロニーの機関誌「ゆうあい」は隔月で、御家族の方々をはじめ、全国各地の施設・関係機関、団体等に配布されております。多くの方々の寄稿文、実践活動やイベント、エピソードなどを交え、みなさまに近況をお伝えしております。

 

2016年12月号


おしまコロニー the 50-year history 1967 - 2017


来年、平成29(2017)年、「おしまコロニー」は開設50年という大きな節目の年を迎えます。この間、一貫として「生涯教育」の理念を掲げ、いかなる世代の人たちでも支援を受けることが出来る体制の構築を目指し、その歩みを重ねてきました。そこで、今年度の「ゆうあい」巻頭頁では、5回にわたってその半世紀の足跡を辿ってみたいと思います。



 

Ⅳ.過渡期 後を継いでいくもの

- 人が変わり、時代が変わる -


平成10(1998)年4月 大場公孝、二代目理事長就任

大場茂俊(初代理事長)、逝去

平成11(1999)年10月 ぱすてる開設

平成12(2000)年6月 社会福祉基礎構造改革の実施

平成13(2001)年4月 あおいそら開設

平成15(2003)年4月 利用契約(支援費)制度の開始


ぱすてる・あおいそら外観

ぱすてる・あおいそら外観

受け継がれるバトン

平成9(1997)年、「おしまコロニー」は開設30周年を迎えました。障がいのある方たちの人生を支える「生涯教育」という独自の総合支援体系は、この時期、一応の完成を見ます。しかし、この完成された体系は、30年を経て次の時代への大きな変貌の一里塚でもありました。時は社会福祉基礎構造改革の前夜、社会福祉のあり方そのものが大きく変わろうとしていました。世の中は、次の新しい福祉の仕組みを求めはじめていたのです。

そして「おしまコロニー」も、また時期を同じくして世代交代の時が確実に迫っていました。開設30周年を迎えた翌年の平成10(1998)年、「おしまコロニー」は、体調がすぐれなかった創業者である大場茂俊から、長男である大場公孝に理事長職が引き継がれます。しかし、新理事長が誕生した4月、それを見届けたかのように、創業者大場茂俊は突然、天に召されます(享年75歳)。まさに“一以貫之”に生きた、執念の人の早すぎる最期でした。福祉事業が新たな転換期を迎える大きなうねりの中で、創業者を失うという予期せぬ事態に直面しながら「おしまコロニー」もまた、若い世代へのバトンタッチによって、自分たちの次なる姿を模索する一歩を踏み出したのです。

措置から契約へ、福祉制度の変革

この時期、戦後間もない頃に形づくられた措置制度の見直しが進められました。措置制度とは「行政権限としての措置」、つまり国が「与える福祉」のことです。利用者本位の「権利としての福祉」とはほど遠いものでした。しかし、戦後日本は経済大国と呼ばれ豊かになり、それにともなって価値観も多様化していきます。当然、社会福祉にも権利として「豊かさを享受し幸福を追求するための普遍的な仕組み」が求められるようになりました。個々のニーズに応じた選択と、それに応える多様なサービス提供が社会的仕組みとして求められたのです。そうした背景の中、社会福祉基礎構造改革という名のもと根本から見直され、社会福祉の仕組みは措置制度から「利用契約制度」へと変わることとなりました。介護保険制度や障害者自立支援法の成立も、その流れの中にあります。

社会福祉基礎構造改革で掲げられた「福祉サービスの質の向上」「地域福祉の増進」「本人主体」「権利擁護」といったテーマは、これまで「おしまコロニー」が目指してきた方向性と異なるものではありません。そして、時代が要請する新しい姿に更新し、変容し続けていく取組みがますます求められる時代となったのです。

在宅(相談)支援事業の充実、広がり

「おしまコロニー」は、平成11(1999)年に「市町村障害者生活支援センターぱすてる」を開設しました。それを皮切りに、毎年のように在宅(相談)支援事業が増えていくことになります。 行政が主体である措置制度の下では、福祉施設による単独の判断で利用者を受け入れることを認められてはいませんでした。しかし「利用契約制度」への移行により、福祉施設は利用者と直接契約を結ぶこととなり、主体的な事業展開が求められることになりました。その時、まず必要と考えられたのが、地域の声を直接聞くこと、つまり「相談事業」の展開でした。その最初の事業として「ぱすてる」がスタートし、支援を求める多くの声を聴くこととなります。

平成13(2001)年には、制度に先んじて「自閉症・発達障害者支援センターあおいそら」を任意開設します。地元の発達障害のあるお子さんたちのご父母をはじめとした多くの方々が開設に向けてご協力下さり、その力の結集が行政を動かし、翌年正式な認可を受け、道内初の事業としてスタートを切ります。これまで「おしまコロニー」が長年学び培ってきた「TEACCHプログラム」を元にした実践ノウハウが、地域の実情に応じて還元され、発達障害への理解を進めていくこととなります。

平成15(2003)年には、北斗市に「障害者生活支援センターアシスト・かみいそ」が開設され、より広域な相談活動の展開が可能となり、また、就労に関する相談や斡旋をバックアップする「職場適応援助者支援事業(ジョブコーチ支援)すてっぷ」が事業を開始。平成17(2005)年には、渡島圏域障害者総合相談支援センター「めい」が開設されました。こうした各分野をフォローする幾重もの相談事業の展開は、「声を聞き漏らすことがない」ことで、暮らしにより密着した支援体制を構築するためのものです。相談に訪れた日々の声が、「おしまコロニー」の施設やグループホームにフィードバックされ、また新たな取り組みへとつながっていくことになるのです。



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