おしまコロニーの機関誌「ゆうあい」は、毎月、御家族の方々をはじめ、全国各地の施設・関係機関、団体等に配布されております。多くの方々の寄稿文、実践活動やイベント、エピソードなどを交え、みなさまに近況をお伝えしております。

 

2015年12月号


法人重点課題の取り組み その3
乳幼児期の支援〜障害児の地域生活支援〜


つくしんぼ学級 園長 金沢 京子

つくしんぼ学級は、平成24年度より、「児童発達支援センター」となり、身近な地域における障がい児支援の拠点としての役割を担うため、地域の保育園や幼稚園等に出向いて、お子さんに直接関わりながらそこで支援している先生方の相談にのる「保育所等訪問支援事業」を開始した。さらに1年遅れて、今まで福祉サービスの利用経験がなかったり、新たに福祉サービスの利用を検討されているご家族が、気軽に相談できる場として「障がい児相談支援事業」も開始した。

乳幼児の数は増えてはいないのだが、子育てが難しい、或いは集団保育になじめないお子さんは、ここ数年増加をしており、函館市、北斗市、七飯町(以下2市1町)の児童発達支援センター合わせて90名の定員では、すべてのお子さんの療育を担当することは到底不可能な状態である。当然、どこの保育園、幼稚園にも気になるお子さんがおり、保育所等訪問支援は、年々利用希望が増え、訪問先では依頼のあったお子さん以外の相談を受ける事も少なくない。それぞれの園で、職員は知恵を絞り、工夫して支援にあたっているのだが、迷いや不安も多く、私たちが直接園に出向いて具体的に話し合える場は、活用しやすいと好評である。私たちはそのお子さんの持っている障がい特性をさぐり、先生方の支援の根拠を説明することで、さらにその子に合わせた支援を展開しやすくなればと願っている。

障がい児相談支援では、実際に幼児の支援を担当してきた相談員が相談にのることで、お子さんの状態を捉えやすかったり、ご家族の思いに共感しやすいメリットを感じている。同時に、なんとか福祉サービスに繋ぎ、ご家族の子育てを応援したいのに、まだまだ地域に足りない福祉サービスの現状に悩んだり、機関同士を繋ぐために奔走しても、意思の統一がなかなか図れず、力不足を感じることも多い。

国は、児童発達支援センターを『障がいのある乳幼児の地域支援の中核にする』としている。2市1町だけ見ても、障がい児通所サービスを担う事業所として、3つの「児童発達支援センター」の他に、「放課後等デイサービス事業所」が26ヶ所、「児童発達支援事業所」が11ヶ所と、急増している。(平成27年11月現在)療育の場が増えることは、ご家族、子ども本人の選択肢が増える事になり、けして悪いことではないが、療育の質の確保は急務であると感じている。放課後等デイサービス事業所が増える事で、就学後も子どもたちの放課後の生活が充実し、そこでの経験が将来の余暇活動に繋がっていくことも期待できる。同時に、ご家族、特にお母さんの就労支援には欠かせないサービスでもある。現在は、函館地域障がい者自立支援協議会子ども部会の中で、2市1町放課後等デイサービス事業所連絡会を立ち上げ、その事務局を担当させてもらっている。放課後等デイサービス事業所の中には、障がい児と初めて接するという職員もいる。それぞれの事業所が特色ある療育を展開することは望ましいのだが、家庭や学校との連携をベースに置きながら、将来の成人期に向けて意味のある支援を継続することができなければ、利用する子どもたちは混乱し、成長を阻害してしまいかねない。つくしんぼ学級で得た療育のノウハウが、卒園した子どもたちも利用する放課後等デイサービス事業の療育に少しでも役に立てば、という思いで今後も定期的に勉強会を開催していく予定であり、さらに児童発達支援事業所にも広げていきたいと考えている。

この地域に生まれた全ての子どもたちが、ここに生まれて良かった、この支援者に出会えて良かったと感じてくれるような、そんな温かい事業所、笑顔溢れる支援者の輪が広がっていくよう、これからも力を注いでいきたい。

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