おしまコロニーの機関誌「ゆうあい」は、毎月、御家族の方々をはじめ、全国各地の施設・関係機関、団体等に配布されております。多くの方々の寄稿文、実践活動やイベント、エピソードなどを交え、みなさまに近況をお伝えしております。

 

2014年6月号


「ワークセンターほくと」施設長に就任して


ワークセンターほくと
 施設長 小黒 康広

この度、平成26年4月1日付けで、「ワークセンターほくと」の施設長に就任致しました。

私は平成元年に「学校法人ゆうあい学園ゆうあい養護学校高等部」に赴任し、20年間教員として勤務致しました。平成21年3月高等部閉校に伴い学校法人退職、同年4月に本事業所へ課長補佐として着任し5年が過ぎました。

教員時代における大きな学びの一つとして、自閉症支援があります。ここでの現場経験と研修の積み重ねの中で、プロとして支援にあたるとき「根拠を見つめる視点」というものを学びました。この学びが、自閉症の方に限らず、全ての利用者の皆様にとって「ひとりひとりがちがっていいこと」そして「その人にとって・・」という視点の大切さを実感してきました。本事業所においても、継続的にコンサルタントとしてご尽力下さいました服巻智子氏に感謝申し上げます。また、私の教員時代の大きな経験として、生徒の皆さんと「ハンドベル」を抱えて、地域の中で演奏活動をさせていただいた時期があります。私はこの経験の中で、音楽という素材だけに限らず、利用者の皆様の豊かな人生のために、どんなお手伝いができるのかを考えるようになり、「生き甲斐を見つめる視点」の大切さを学びました。その当時から現在に至るまで、音楽を通じて「心の豊かさ」を教えて下さっているプロハープ奏者の池田千鶴子氏に、改めて感謝申し上げます。

その一方で、進路支援担当を十数年務めました。道南、道央地区全域の施設、事業所、養護学校等を何度も訪問する機会を得ることができ、多くの諸先輩、教員の皆様にご指導をいただきました。この経験は今でも私にとって、支援を「多角的に見つめる視点」を育ててもらった出会いであり、大きな財産であります。そして、ゆうあい養護学校高等部卒業生とご家族の皆様、「ワークセンターほくと」を利用される方々と、ご家族の皆様をはじめ、おしまコロニーの多くの諸先輩、同僚、広くは友人全ての方々に支えていただいたことを忘れることなく、これからも精進して参ります。

さて、今後の「ワークセンターほくと」についてですが、日中活動事業所として平成26年4月より、多機能型事業所から生活介護事業所へ移行致しました。これは利用者の皆様の実態とニーズ(重度の知的障がい・高齢化・行動障がいを持つ方等に適した日中活動)に伴い、個別で多角的なサービス提供を強く求められてきたからです。成人事業所として働くことを中心としたサービス提供は、健全な生活リズムを保ち認知機能の健康を保つ重要な側面です。しかし一方で、さまざまな障がい特性や高齢化に合わせ、個々にとっての「生き甲斐の場」も、多くの方が必要となるでしょう。既成概念を持たず、さまざまなサービス(運動・創作等)を提供し続け、それを発信できる事業所として成熟するよう、前任の前田施設長の方針を継承し、探求し続けたいと考えております。

昨今の福祉行政の動向に目を向けますと、一昨年より相談支援事業として「サービス利用計画の作成」が開始されました。地域全体で、利用者の皆様の将来にわたる暮らし全般を、様々な分野のスタッフがチームで支えていくことが今、求められています。また、必要なサービスを適正に受けられる判断基準として、これまでの「障害程度区分」が「障害支援区分」へと変わり、その方にとって「必要な支援は何か」を重視する考え方へと国もようやく舵を切ったと言えます。人としてあたりまえの権利と尊厳が、適切に保証され地域全体の理解が深まるよう、本事業所としても努力して参ります。また一昨年10月に「障害者虐待防止法」が施行され、本事業所においても「虐待防止委員会」の設置により、取り組みを強化しております。特に利用者の皆様の「声」を聞き逃すことのないよう、また、小さな要因を見逃さず、職員の人材育成に努めて参ります。

最後になりましたが、利用者の皆様、ご家族の皆様、そしてスタッフの笑顔を大切に「ワークセンターほくと」を導いていきたいと願っております。

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