おしま学園は昭和42年に開設され、昨年度のおしま学園は8歳から39歳(4月当初)までの利用者を含む60名の利用者構成でした。児童か ら成人までの幅広い年齢で、そのニーズも多種多様でした。
今年度は児童施設再編による定員40名の福祉型障がい児入所施設として再スタートしています。9歳から18歳までの学齢の児童構成で、大多 数が隣接する北海道七飯養護学校おしま学園分校、そして1名が地域の中学校に通っています。年齢や特性等は様々ですが、各寮の名称も「さわやか」「すこや か」「のびやか」と改め、日々生活しています。
過去3年間の気づきメモの提出件数は、平成22年度に233件、23年度33件、24年度の提出件数は100件です。
23年度に気づきメモの提出件数が激減し、24年度は当初から気づきメモの提出を容易にするため各寮と日中活動棟のそれぞれに気づきメモ・ ポスト(投函箱)を目立つカラーで設置し、月ごとの回収・集計を行って定期的に報告するようにしてみました。気づきメモは早急に改善を図っていることが多 いため、気づきの件数としては年々減少しているとも考えられます。
結果としては上記の提出件数で、職員の気づきに感謝するとともに単なるメモ紙ではないその1枚1枚の重さが伝わってきます。
怪我(裂傷・打撲)の予測 50件 | 異食(誤飲)の予測 17件 | 破損の予測 6件 | その他 27件 |
要因① 建物に関して 14 |
要因① 建物に関して 7 |
要因① 建物に関して 0 |
要因① 建物に関して 1 |
要因② 備品に関して 14 |
要因② 備品に関して 3 |
要因② 備品に関して 5 |
要因② 備品に関して 11 |
要因③ 戸外の環境で 5 |
要因③ 戸外の環境で 2 |
要因③ 戸外の環境で 1 |
要因③ 戸外の環境で 1 |
要因④ その他 17 |
要因④ その他 5 |
要因④ その他 0 |
要因④ その他 14 |
おしま学園の気づきメモの集計から、最も予測される危険等の多いものは、怪我(裂傷、打撲)の50件です。その原因として転倒によるものが 含まれています。建物の維持・管理や寮内の備品の整備等が要因としてあがっているものが、半数以上の28件でした。
異食(誤飲)の予測につながる建物や備品に関する要因とは、居室の壁や備品の破損等に起因するものであり、早急に修理や処分することで事故 等のリスクは軽減していると思われます。
ある時、気づきメモの回収が遅れてしまい、申し訳ないと伝えながら投函箱を開けたところ、1枚の気づきメモが丁寧に折られて入っていました 。その場にいた職員からの一言は、「なんでもっと早く見てくれないの。」と、その1枚のメモに込められた思いを伝える言葉にヒヤリとしました。提出件数以 上に職員の気づきがあると思われる中で、気づきメモの提出は、投函箱が沢山あれば出し易いだろうというものではないことに気づかされました。経験年数の浅 い職員が、自身の気づきや行動を周りに伝えようとする時、ある意味で勇気の必要な場合があります。気づきメモを受けとる側がそれをどう評価し、対応するか は大きな意味があると思います。
今年度も目立つカラーの気づきメモ・ポストとメモの確認やリスクを減らす対応を迅速に行うことで気づきメモをより広く周知してもらい、ひい ては利用者の方々の事故を未然に防ぐ対策や様々な場面で職員の工夫・支援力の向上のために取り組んでいきたいと思います。
(2013年7月 おしま学園)